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分娩室 〈いきむということ〉





                    最初に運ばれた時と同じ畳の分娩室へ。
                    以下、下ワード満載になるので、お食事中の方、汚いお言葉無理な方、
                    スルーして下さい。







  
                    もう痛すぎる陣痛は、大きなビーズクッションとサトウさん無しでは耐えきれない。
                    分娩準備のため、新たに二人の助産師さんが加わる。
                    夫がビデオカメラを設置するために、サトウさんと一緒に場所の確認等をしている。
                    『私のサトウさん早く戻ってきて…』
                    サトウさんと私の間に入ってくる者は夫さえ邪魔になってきた。

                    そのうち、サトウさんが、新しく来た助産師さんに、
                    『ここを親指で押すといいのよ。』と指圧をレクチャーし始めた。
                    そう、18時をまわり、日勤のサトウさんの帰宅時間になってしまったのだ。
                    な、なにー!?今からが更に大変なのにサトウさんが帰ってしまうだとー?!

                    『ちゃんと指圧の場所、次の助産師さんに伝えたからね!』とサトウさん。
                    そうだよね…朝からずっと一緒にいてくれたサトウさん。本当にお疲れ様…。

                    新しい助産師さんが、サトウさんに教わった通り、親指で指圧してくれる。
                    でも…なんか違う…。
                    そりゃそうだ、全く同じなんて無理…、わかってる…、わかってる…、でも…。
                    帰ろうとするサトウさんに思わず叫んでいた。
                    『サトウさん、いてくださあい~~~!』

                    あぁ、痛いことを理由に何とわがまま言ってるんだ私は…

                    困り顔のサトウさん、『わかった、いるよ!』。

                    申し訳無いのはサトウさんだけじゃない。夜勤の助産師さんだって。
                    気分悪くさせちゃったかな…。後でそう思ったが、その時はもう必死で
                    サトウさんを呼び止めるしかできなかった。

                    間もなくいきみたくなる波がやってきて、『いきみたくなったらいきんでいいよ!』
                    と言われる。

                    『色んな体勢とってみて、一番楽なかっこうで産もうね!』と。

                    そうだ、希望していたフリースタイル分娩ができるんだった。

                    でも、正直こんな状態で色んな体勢試せない…。動きたくない…。


                    とりあえず夫に後ろから支えてもらう、仰向けのポーズでいきんでみる。


                    波が来たら、力一杯いきみ、波が引いたら赤さんに酸素をたっぷり送るため、
                    深い深呼吸。
                    力一杯いきんだ後は息が上がってしまい、なかなかすぐに深呼吸なんてできない。

                    いきみ方もイマイチわからない。
                    すると、1人の助産師さんが、『大きいウ○チを出すつもりで!』と言った。
                    そうか、ウ○チ出す感じね!
                    となぜかピンときて、もう一度いきむ。
                    『そうそう、すごく上手!』
                    誉められて伸びるタイプなので、もうそこから私の中で、
                    赤さんを産む→でっかいウ○チを出すに考えがシフト。
                    赤さんを産むよりずっとリアルにイメージできるのだ。
                    いきむ度、『ウ○チーー!!出てこいやー!』と頭の中で叫んだ。
                    そうやっていきむと凄く誉めてもらえた。


                    何度いきんでも、なかなかウンチ頭が出てこない。

                    ここで、推定体重が皆の頭によぎる。
                    『3500だからね、かなり立派な赤ちゃんだから、頭出るまで大変かもね。
                    ちょっと体勢変えてみようか。』
                    と言われ、夫と向き合って立ち、夫につかまっていきむ。をやってみる。
                    重力を借りて、赤さんを下におろす作戦。
                    が、この体勢、かなりの脚力が必要な上、ただでさえ息が上がって熱いのに、
                    誰かと密着して向き合うなんて、体の間はあり得ない温度になってしまう。
                    しかもいきむ時、物凄い腕力で夫の肩から首に力が入ってしまう。
                    夫が苦痛な顔と共によろけるのを見て、
                    『あ、これは赤さんが出てくる前にこの人を絞め殺しちゃうな。』と本気で思い、
                    断念。

                    結局、もとの仰向けのポーズに落ち着く。


                    もう子宮口が全開になっていきみはじめてからかれこれ二時間。
                    やっと赤さんの頭のてっぺんが見え隠れしてきたらしい。
                    もう体力も尽き果てようとしている私に、助産師さんが、
                    『腕を伸ばして触ってごらん!頭触れるから!』と。
 
                    頭を触ることによってもう少しヤル気を持続させようとしてくれる。

                    でも、相変わらず私の中では赤さんでなく、ウ○チを出す!ということで
                    モチベーションを保っていたので、頭見えてきたのか…くらいでいまいち
                    テンション上がらない。

                    しかも、腕を伸ばす行為でさえ、いきむ体力に回したい。
                    『いいです、触らなくて!』とまさかのお断り。


                    そして、また何度もいきむ。頭は見えるがなかなか出てこない。


                    そして、気づくと先生もスタンバイ。

                    皆3500の子が出てくると思っている。

                    夫に寄りかかり、左右違う助産師さんの手を握りながら何度もいきむが
                    出てこない。
                    もう、痛みすら感じないくらい、疲れた。


                    先生が助産師さんと静かに何か話している。

                    そして、『じゃあちょっとお手伝いしますね。』と言った。

                    それは、切開と吸引を意味していた。

                    あぁ…とても嫌だけど、仕方無い。そうしてもらおう。


                    そして、先生は隣の部屋へ、吸引の準備をしに行った。
 
by giddy_girl | 2011-12-17 20:24 | 出産
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